偶然の恋人(Bounce)

 広告代理店の取締役であるバディは、大手航空会社インフィニティとの独占的な契約を結ぶことに成功した。場所はシカゴ(どうでもよいことだが、シカゴのオヘア空港といえば、ユナイテッド航空のハブ空港)。ところが、彼がロサンゼルスに帰ろうとした日に悪天候により多くの飛行機が運行を中止したり遅れたりしていた(私がシカゴに行った時は不審者がいたとかで遅れていた)。こうした状況で、飛行場は非常に混雑していた。バーで時間をつぶしていると、たまたまバディは脚本家のグレッグ・ジャネロ(トニー・ゴールドウィン)と知り合うことになる。彼の飛行機は運行停止になったのだが、彼は子供のバザーに参加する予定だったなどと話をしていた。その話に同情したバディーはその場で知り合った?女性ミミ(ナターシャ・ヘンストリッジ)と仲良しになりたいと思ったこともあり、自分の航空券をグレッグに譲ることにした。飛行機の場合、搭乗者名簿があるが、その名簿はそのままにしていた。
 周りからする騒々しい音に目を覚ましたバディは、自分の乗る予定だった82便が墜落し乗客・乗務員が全員死亡したことを知る(もし、ここでグレッグが生きていればアンブレイカブルだったのだが)。自分の代わりにグレッグが死んでしまったと自分を責め、彼はアルコール依存症(映画では略してAAと言っていたが、それが一般的な言い方なんだろう)になり入院することになる。退院した彼はグレッグの残された家族のことが気になり見に行ってみた。そこには元気そうなアビーの姿があった。はじめは同情?から近づいていったバディだったが、彼女のやさしさを知るにつれ次第に彼女に惹かれるようになっていった。一方、彼女もはじめは不信感を感じていたものの、不動産仲介の仕事をもらったりしているうちに、その気になってしまう。ところが、あることからグレッグが彼の変わりに飛行機に乗っていたことがわかり二人の関係は・・・。
 
 もともとこの映画には期待はしていなかった。それなりに、盛り上がるかとも思ったが、それほどでもない。そもそも、企画に無理があるという気がしないでもない。飛行場でいろいろな若い女性と仲の良くして楽しそうなバディが子持ちの女に惹かれていくというのも、可能性としてはあまりないような気がする。アビーの子供2人(一人はホーム・アローン3の主役だったアレックス・D・リンツ)を使ってのお涙頂戴?シーンなども反則か?まあ、「恋に落ちたシェイクスピア(だったかな?Shakespeare in Love)」で99年アカデミー主演女優賞を受賞したグウィネス・パルトロウや売れっ子のベン・アフレック(彼もShakespeare in Loveには出演していた)のファンにはいいのかもしれないが(なんでも、この二人は現実の世界でも仲良かったそうな)。二人とも28歳らしいが、とても、そんなに若く見えない。まあ、基本的には彼らのファン以外は見なくても良い映画でしょう。
 日本語のタイトルは時として英語の原題とかけ離れることもある。映画配給会社としては、タイトルをそのまま出して意味がわかり、売れそうならそれでも良いのだろうが、わかりにくい・売りにくいと思われるときは、変えているんだろう。今回の映画の原題は「Bounce」だが、日本語で「偶然の恋人」と聞くとなんかすごいロマンチック?な映画という印象だ。確かに俳優からしてロマンスが見ものということかもしれない。しかし、(私だけかもしれないが)一般に偶然というと、どこかの街ですれ違って、何かがきっかけで知り合うようになるとかいう感じがイメージできるのだが、この映画では、残された家族が気になるということで一種ストーカー的?に家を訪ねていったのだから偶然とは言わないだろう。この映画は原題からしてやはり(ロマンスを描いたと期待せずに)、ボールが床に当たっても跳ね返るように、打ちのめされても、落ち込んでも、立ち直るということにフォーカスして映画を見ないと感動も激減ということになるだろう。映画の中のセリフでも「bounce」という動詞を「立ち直る」と訳していたようだ。辛いことがあっても、立ち直り前向きに生きていくことが大切ということでしょう。落ちるだけ落ちて底を打てばリバウンドするということよ??
 昔、ウィリアム・ハートが主演していた「偶然の旅人」(1998年)という映画があったが、あの映画の原題は「The Accidental Tourist」だった。その感覚からするとこの映画の原題も「The Accidental Lover」???と英訳できたりするんだが、こういうタイトルなら偶然と事故の意味をかけることで、おもしろいと思うんだけどな(苦笑)。

 

製作 スティーヴ・ゴリンほか
(Steve Golin)
監督

ドン・ルース
(Don Roos)

以下キャスト レヴェル:PG-13

バディ・アマラル
(Buddy Amaral )

ベン・アフレック
(Ben Affleck)

アビー・ジャネロ
(Abby Janello)

グウィネス・パルトロウ
(Gwyneth Paltrow)

スコット・ジャネロ
(Scott Janello)

アレックス・D・リンツ
(Alex D. Linz)

 

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Last updated Mar. 25, 2001
Eiji Nakaoka 1996.-01

 

 

 

映画批評