ザ・ウォッチャー(The Watcher)

 この映画の売りは「犯罪史上、最も美しく残酷な連続殺人犯(シリアル・キラー)」とかなんとかと予告編でやっていた。その連続殺人犯は、マトリックスで見事な体の柔らかさ??を演じていたキアヌ・リーブスが汚れ役というか、犯人を演じているのだ。
 舞台はシカゴ。シカゴを舞台にした映画といえば「逃亡者」「ベスト・フレンズ・ウェディング」、TVドラマでは「ER」などを思い浮べるが、行ったことがあるところ(米国東海岸旅行記)が舞台であると、見たところがでてきたりして、なんとなく嬉しい。映画のストーリーはこうだ。キアヌ・リーブス演じる連続殺人犯グリフィンは、ロサンジェルスで彼の事件の担当であったFBI捜査官キャンベルはある事件をきっかけにロサンゼルスからシカゴへ異動となり、事件以降に体がおかしくなったことから、薬漬けの生活を送っていた。ところが、が彼をしのんで?シカゴへやってきたのである。彼は殺人をする女性を写真に撮って、それを送りつける。その写真が予告殺人だと気づいたキャンベルは事件を担当することになる。予告殺人のタイムリミットは24時間。事件が重なるにつれ、二人には追うものと追われるものの妙な親近感のようなものをもつようになっていた。彼の気持ちはある女性の殺人予告に送られた花束に写真と一緒に添えられていたメッセージに書いてあった「No one missed you than I missed you」に表現されている。グリフィンは自らキャンベル捜査官に近づいていき、2人が直接対決?ということになるのだが・・・。
 連続殺人犯を扱った映画としては、汚くないというかドロドロしていない。殺人シーンらしいものも、直接的な表現はほとんどないことから、キアヌ・リーブスもそれほど悪い奴というイメージが出ていないような気がします。怖い映画を期待すると見事に裏切られます。予告編だけでも「ハンニバル」のほうがよっぽど怖そうだ。また、細かいことを文句言って申し訳ないが、写真に詳しくなくても経験的に考えればわかることだが、そもそも、犯人はFBI捜査官に送りつける写真は(少なくとも1回は)安物のカメラで撮っていたのだが、それにしては被害者となる女性のバックがあまりにもボケすぎ。いくら接写に近いとしても、あんな安物(少なくともそのようにしか見えない)のKodakのカメラで写真を、しかもフラッシュをたいて撮っていたら、背景がもっとはっきり写っているはずだ(被写界深度はもっとあるだろう)。背景が写っていれば、あそこまで女性を探すのに時間がかからないだろう。
それに良く知らないが、写真を送っていたフェデラルエクスプレス(キャストアウェイもなぜかFedExだな〜)に、何処から送られたとか誰が送ったとか、ちゃんと確認をしたんだろうか?ということで、どうも設定に無理があった映画のような気がした。それに、現代社会で予告殺人とかいってマスコミがその写真を公開することはあるのか?過去にそういう事件はあったのかどうか、ちょっと興味がわいてきたが。刑事コロンボシリーズのように、観客は犯人を人間にわかっているために、捜査官がどう追い詰めるか、どう絡み合っていくかということに全てがかかっているのだが、その割にはどうも内容が薄い。展開がちょっと簡単に予想できてしまうようなもので残念。もう少し、観客に考えさせてくれるようなものでないと。終わり方も、ひょっとして、無理やり続編を作ったりしないだろうな?などと思ってしまうような終わり方でしたね。感想としては、彼のファンの人以外は見なくても良い映画でした。
 シカゴらしい建物があまり出なかったものも個人的には残念。ただ、ヘリコプターが湖のほうから近づいてくるときにジョン・ハンコック・センターの姿がなんか印象的だった。シカゴの夜景は綺麗なんだから、どうせならそういう綺麗なところで殺人でもしたら、もっと華麗な殺人者になったような気がしないでもないが。しかし、シアトル・ベスト・コーヒーが出ていたのだが、どうしてシアトルではスターバックスといい、有名なコーヒー屋がうまれるんだ?

製作 Christopher Ebertsほか
(Christopher Eberts)
監督

ジョー・シャルバニック
(Joe Charbanic)

以下キャスト レヴェル:Restricted

デイビッド・アレン・グリフィン
(David Allen Griffin)

キアヌ・リーブス
(Keanu Reeves)

ジョエル・キャンベル
(Joel Campbell)

ジェームズ・スペイダー
(James Spader)

ポリー
(Polly)
マリサ・トメイ
(Marisa Tomei )

 

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Last updated Feb. 25, 2001
Eiji Nakaoka 1996.-01

 

 

 

映画批評