ペイ・フォワード[可能の王国]

 よくわからんが、急に見に行くことになったのではあるが、夜だったので?この映画ということにした。全く予習もなし。
 中学校にあがったばかりの生徒であるトレバー(ハーレイ・ジョエル・オスメント)の社会科担当となった顔に焼けどの跡が残るユージーン・シモネット先生(ケビン・スペイシー)が1年間を通しての課題を出す。それは「Think of an Idea to Change Our World and Put it into Action」 (世界を変えるためのアイデアを考えて、実行してみよう)というものだった。多くの生徒は、そんなことはできるわけないと思う。私もそう思った。あまりにも課題してはでかすぎる。おまけに現実の世界は結果が全てということが多いのだから、結果で判断するとすれば、みんながまず落第となるだろう。が、ここは授業なので、彼らの努力を評価すると先生の一言。中学生の考えることであるから、いろいろな意見がある。中国人の子供に一気にジャンプさせて地軸をずらそうなどという、突飛な?発想をするものもいる。
 トレバーの考えは、簡単なもので、仕組みとしては、ねずみ講やチェーンメールに似たものだった。自分が人に幸せになることを3人に施し、それを受けた人が、別の3人に同く幸せになることをしていく、というものだった(金が絡めばすぐにねずみ講で犯罪となるだろう)。こうして自分一人では、世界に対して少ししかできないことでも、これが他の人に広がれば、幸せな世界に変えることができるかもしれないということなのだ。これを「Pay it Forward」という運動と名づけ、トレバーは自ら行動を起こす。しかし、現実はユートピアでもなければ、パーフェクト・ワールドでもないので、大人がそんな話でもすれば鼻で笑われそうな話だ。大人は現実の厳しさを理由に、思ったことも素直にできないことが多い。彼自身の行動も、彼が思うようには、なかなかうまくいかない。ところが、実際は、彼の知らないところで、徐々にこの「ペイ・イット・フォワード・ムーブメント」が広がりつつあったのだ。

 この映画は、現代のアメリカの病める社会がバックグランドにある。母子家庭、アルコール中毒、麻薬中毒、ホームレス、家庭内暴力、非行少年など、この映画と同じくケビン・スペイシー主演でアカデミー賞も多く取った「アメリカン・ビューティー」と似ている。もっとも、それらのことは映画にはでてくるもののやや消化不足という気がしないでもないが。舞台がラス・ベガスであることで、華やかな社会とは対照的に、そこに存在する殺伐とした人間関係が強調されているように見える。
 この映画自体は、日本人にとってもわかりやすいものだ。他人を思いやるような精神というのは、米国だけでなく日本など先進国では忘れられたというか重要視されない価値観であることに変わりは無いだろうから。ただ、個人的には、子供を使ってお涙頂戴の展開というのはやっぱり、反則という気がした。その他では、トレバーの母親役で、ヘレン・ハントが出ていたが、彼女の登場のシーンがなかなかセクシーで暗いところでは年がよくわからなかったのが、ちょっと怖いですね。
 仮にこの映画を見て触発され、実際にその運動を自らが(別に自らそれをアピールすることもないが)行動することは良いことであろう。そこまでいかないにしても、他人に対する自分の接し方というものを考える一つの契機にはなると思う。ただ、映画の中で、その運動として、犯罪者を助けるシーンがあったが、(例え、それで犯罪者が変わったとしても)そういうものが本当にペイ・イット・フォワードの精神に沿ったものであるのかは、ちょっと疑問だ。
 ということで、アカデミー賞候補とあるが、そうなるのかな〜。子供が主人公で出ていると、どうなんでしょう?まあ、最近の自分の行動を反省したい人にはオススメかもしれない。
 ちなみに、この映画の原作はCatherine Ryan Hydeという女性が書いたものらしいが、この映画と同名の基金がすでにできており、それを実践している先生がいるところに、アメリカ人というのは単純というのか、チャリティーの精神が旺盛なのか?ちょっとビックリした。

Pay It Forward Foundationのホームページはここから

 ベス・ニースセン・チャップマン(Beth Nielsen Chapman)のアルバム「サンド・アンド・ウォーター(sand and water)」WPCR1005の中の曲「カラー・オブ・ローゼズ(The Color of Roses)」にこんなフレーズがある。
Only the ones who believe
Ever see what they dream
Ever dream what comes ture
信じている者だけが
夢見ているものを目にすることができる
実現する夢を見ることができる

この映画でのトレバー少年のような純粋な心を忘れないようにしたいものである。


製作 スティーブン・ルーサー
(Steven Reuther)
監督

ミミ・レダー
(Mimi Leder)

以下キャスト レヴェル:PG-13

ユージーン・シモネット
(Eugene Simonet)

ケビン・スペイシー
(Kevin Spacey)

アーリーン・マッキニー
(Arlene McKinney)

ヘレン・ハント
(Helen Hunt)

トレバー・マッキニー
(Trevor McKinney)
ハーレイ・ジョエル・オスメント
(Haley Joel Osment )

 

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Last updated Feb. 12, 2001
Eiji Nakaoka 1996.-01

 

 

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