コレリ大尉のマンドリン(Captain Corelli's Mandolin)

 私が今年5月にいたときにロンドンでこの映画の上映が始まっていた。なんでも、英国では原作となったルイ・ド・ベニエール(Louis de Bernieres)の同名小説を国民20人に一人が読んでいるとかで、事実Fさんも原作は読んだといっていた。 
 舞台はイオニア海に浮かぶ小さな島ケファロニア(Kefalonia)だ。平和な島に住む医者であるイアンニス(ジョン・ハート)の娘で医師を目指しているペラギア(ペネロペ・クルス)は漁師であるマンドラス(クリスチャン・ベール)と結婚を約束する。第二次大戦でギリシアは当初中立国を標榜していたが、1940年にイタリア軍がギリシアに侵攻してきた。この島でも若者たちは戦争に借り出されることになり、その中にはマンドラスの姿もあった。ギリシア軍は見事にイタリア軍を撤退させるが、結局1941年にドイツ軍に敗退してしまい、ギリシアはイタリアとドイツに分割統治されることになり、ケファロニアはイタリア軍と少数のドイツ軍に占領された。そうした中、ペラギアは毎日マンドラスへの想いを手紙に託すが、一向に返事はこない中、絶望感で精神的にも不安定になっていく。一方、イタリアの占領軍の中に歌の好きないかにもイタリアンというコレリ大尉(ニコラス・ケイジ)がいた。コレリ大尉はペラギアに一目惚れし、偶然?にもイアンニス医師の家を宿舎としたコレリ大尉は彼女と恋に落ちていく。そこへマンドラスが帰ってくるが、ペラギアは父の言葉にコレリ大尉への愛を確信するのであった。

 この映画は史実を元にしたフィクションであるそうだが、澄んだ海に浮かぶ平和な島としか見えないケファロニアにも戦争は悲劇を生む。映画の中でも描かれていたドイツ軍によるイタリア軍の処刑は実際にこの島であったことらしい。しかし一方で、こうした戦争や地震(この島は地震でも相当な被害があったらしい)という試練を愛の力で乗り越えて人々は生きてくことができることをこの映画は表現している。監督は「恋に落ちたシェイクスピア」のジョン・マッデン。タイトル名にもなっているコレリ大尉をニコラス・ケイジがマンドリンを熱演してペラギアへの愛を表現するなど、従来の彼の映画とは違った面も。マンドリンを使った音楽もその寂しい音色が映画のシーンにマッチしている。スペイン人であるペネロペ・クルスの英語が訛っていたのは、もともとなのか、はたまた流暢な英語を話すギリシア人では舞台がギリシアという感じがしないからなのか?まあ、米国映画では宇宙人も英語を話すのが普通なので不思議なことではないが。ジョン・ハート演じるペラギアの父イアンニスも娘の幸せを思い助言し、サポートする姿は父親としての理想に近いものかもしれない(婚約している相手以外への娘の愛を確認させる父親なんて実際にはいるんだろうか?)。
 この映画では普段よりも映画館にお年寄りが多かったようだ。戦争中のロマンスということで、自分の青春に重なる部分があると思ったのか、それとも単なる偶然だったのか?ベスト・セラーということで正直期待していったのだが、やはり、映画という時間の制限があるため人物を深く表現できていないのか、なぜそこまで原作が評価されたのか、まではわからなかった(ちなみにFさんはニコラス・ケイジが嫌いということで見なかったらしい)。黒柳徹子が何度も泣いたとこの映画の宣伝文句に書いていたが、泣けなかったのは人生経験の乏しさか?ロケもケファロニアで行われたそうで、これを見て一度行ってみたいと思う人も多いのでは。映画を見て泣きたいという人が泣けるかどうかはわからないが、なんとなく想像できる結末に向けて最後まで緊張して見られます。 

製作 ティム・ビーバンほか
(Tim Bevan)
監督

ジョン・マッデン
(John Madden)

上映時間 2時間25分
以下キャスト レヴェル:R(暴力および性描写など)

コレリ大尉
(Captain Antonio Corelli )

ニコラス・ケイジ
(Nicolas Cage)

ペラギア
(Pelagia)

ペネロペ・クルス
(Penelope Cruz)

イアンニス
()

ジョン・ハート
(John Hurt)

 

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Last updated Oct. 31, 2001
Eiji Nakaoka 1996.-01

 

 

 

映画批評